信用保証協会からいただいた仕事

信用保証協会からいただいた仕事が4件ありましたが、残すところ1件の最終報告会のみです。

4件のうち、製造業は1件のみで、あとは建築業、卸売業でした。
これらを通じて感じたのは、中小企業の経営者にとって「値上げ」することが本当に難しいと感じている部分でした。

世の中では政府を挙げて中小企業に値上げを推奨していますが、現場の経営者にとってはそんなに容易いことではないようです。
https://www.meti.go.jp/press/2022/02/20230228002/20230228002.html

BtoBでは上流企業が優位に立つことから、値上げを相談しても「そんなのムリムリ、うちも大変なんだから・・・」と一蹴されてしまいます。さもなくば「じゃあ、よそに行くけどそれでもいい??」と半ば脅しのような返事が返ってくることも。

サプライチェーンの中央にいる中小企業にとって、お客様からの受注は生命線であり、値上げによって失注するよりも、安くても受注できた方が仕事があっていいのだ、と経営者の多くは考えているようです。

でもそれって正しい考えなんでしょうか?

景気のいい時は事業の拡大に合わせて従業員を採用したり、設備や事務機器を増強したりしていましたが、コロナ禍で傷んだ市場縮小に合わせて固定費の削減は進んでいません。売上高総利益は黒字でも、営業利益は赤字になっています。今のままで安価で受注しても営業赤字は増える一方です。

まあ私のところに話が来る時点で、固定費の削減はある程度進んでおり、これ以上下げると経営者や従業員のモラール低下が心配なので、私からはあまり強く勧めないようにしています。

それよりも、顧客分析や商品分析を通じて、当社の強みや弱みを理解することが大切です。そして、「なぜ自社がお客様から選ばれるのか?」、その理由を明確にして、それを強化していくことを提案していきました。

長年、自社の事業を担ってきた経営者の皆さま。
安易な安売りはお客様のニーズを価格だけに誘導してしまい、自ら顧客との信頼性を崩壊させることにつながります。
今こそ、お客様に寄り添って、お客様の「困っている」「あったらいいな」を自社の商品・サービスを使って提案してみてください。そうすれば必ず、お客様に自社が選ばれる理由を作ることができますから。

そうです、このことは特別なことではないのです。先代や先々代はこうしてお客様からの信頼を獲得し、その結果として事業を拡大することができたはずです。苦しい時は原点回帰です。創業時の想いや夢を思い返してみてください。きっと、苦しみが希望に代わると思いますよ。。