中小企業診断士の中核は”診断”です
ここのところ専門家派遣のご依頼で少しばかり忙しくしており、ブログをおろそかにしていました。申し訳ありません。
専門家派遣でクライアントの企業診断をして、改善提案などをさせていただくのですが、ある方から「提案の内容を充実してほしい」「提案を具体的にしてほしい」などの声をいただく機会がありました。たしかに、私自身が外部環境分析や内部環境分析でSWOTして課題提案という流れで考えていくと、どうしても改善提案の内容はそれほど多く記載することはありません。 汗(それでもできることを3つくらいは並べてやり方を提案しているつもりですがね・・・・)
その方は、「提案をたくさんしてくれたら、その中からクライアントができることを探してやっていくから多ければ多いほうがいい」「いろんな診断士の先生が自分の得意分野の提案をしてくれればいい」とも。なんとも、我々診断士をアイデア箱のような扱われ方に感じてしまい、違和感を感じた瞬間でした。
では、そもそも中小器具王診断士って何なんでしょう??? 企業診断をしながら、ずっと心の片隅につっかえていました。
で、私の今のところの結論は、”診断”です。
企業を多面的に正しく診断することです。正しい診断が無ければ、正しい改善提案につながりません。改善提案をたくさんしても、的外れになる場合も大いにあると思います。ましてや、改善提案をたくさんほしければ、ChatGPTや書物で検索すれば、一定量はでてくるのではないでしょうか。。。
中小企業診断士を企業のホームドクターと称する方がいますが、まさにその通りだと思います。医者が正しい診断をせずに、いろんな種類の薬を出して、自分にあった薬を飲んでください、っていったらびっくりですよね。もうこの医者のところには二度と患者は行かないでしょう。医者が患者の体温、食欲、顔色、悪寒、心音、血圧、触診などを確認し、その後、あたりを付けた病気の症状を詳細に発見していく。まさに、中小企業診断士も財務分析、業務フロー、経営者ヒアリング、従業員ヒアリングなどを実施し、その後 マーケティング、組織人事、商品開発、事業承継について詳細を検討していく、という流れと同じです。
改善提案をたくさんほしい、というのは病気の薬を何種類ももらうのと同じで、クライアントは何をどれくらいすれば、どうなるのか、という説明が我々もできなくなります。企業は単純ではなく、多くの要素が複雑で相互に影響し合っています。よく食べてよく寝て、運動すれば健康になりますが、病人にそれを言っても病気は治りません。正しい診断をしないと病気は直せないのです。だから、中小企業診断士はこの正しい診断に命を懸けるべきだと考えています。
岩井サトシ
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