来週退職する会社を顧みる
29年間に渡り長年勤めてきた会社を今月で退職します。正式には来年4月初めの退職ですが、それまでの間は有給休暇を消化します。ここ数か月、退職の手続きや退職一時金や年金の選択決定のための調査でずいぶん時間を費やしました。
大学院を卒業して、直後に就職した会社です。自分に何ができるのか、自分は何をやりたいのか、当時の自分はそんなことはわかりませんでした。できるだけいろんなチャンスがあった方がいいな。たくさんの人や場所や仕事があれば、そのうち自分に適した仕事があるだろうし、そこで成長できるはず。そんな気持ちで今の自動車会社を選びました。
なかなか着慣れないスーツに身をまとい、初めてくぐった会社の入口。あれから29年が過ぎました。50歳を迎えるころから知識量の不足を感じるようになりました。特に技術的な専門性よりも、経済やビジネスといったある種、だれでも一定レベルは有しているような知識が私には足らない。会社の利益は何で、どうすれば増えるのか?そんな基本的なことさえ、自信をもって答えられない自分でした。とあることをきっかけに社会人大学院という制度を知ることになり、経営学修士の道を歩むことになりました。働きながらでしたので、夜間と週末がほとんどなくなりました。晴れて経営の知識が付いたところで、この保有知識を資格に昇華させることを目指しました。中小企業診断士です。この先のキャリアのために、2次試験は養成課程を受講しました。おかげさまで無事、修了することができ、同期の32人は今でも宝物と思っていますし、講師の先生がたとのつながりは一生の宝物になりそうです。
企業で働きながら、経営学修士号の取得、中小企業診断士の資格取得を無事終えると、自分でできることが増えたことになります。できること×やりたいこと×やるべきことの3つの輪が少しだけ大きくなっていくようです。そして、コンサルタントの仕事をやってみたくなりました。2022年の間に、先ほどの宝物の人脈のおかげでコンサルタント業務やインストラクター業務をさせていただき、やってみたい仕事から今後もやりたい仕事に変化していきました。
企業に長く務めると、それなりに仕事もこなせるようになり、出世もして、50歳を過ぎたころから会社員人生が見通せるようになってきます。今の仕事に夢中になれるほどの情熱が無い場合には、転職するか起業するかを考えるようになります。私は5-6年かけてできることの輪を少し大きくすることで、やりたいことの輪も大きくできたようです。
2023年は、やるべきことの輪を見つめ直す年になりそうです。